季節の養生
秋の養生
秋の体の変化
昨年は、猛暑が9月まで続きましたが、今年は、一転、梅雨のような天候が続きました。涼しくなるのも早く、朝晩の寒暖差が最も現れる時期です。暑い季節から寒い季節への変わり目、私たちの体はいちはやく、9月上旬には、秋の涼しさに対応できる態勢を取り始めます。
夏は、発汗によって老廃物を出しますが、秋は、尿として老廃物を排泄します。それだけ腎臓に負担がかかるこの時期、多くの方が、腎臓の血液検査の値が悪化するそうです。腎臓の疲れから背中が硬直し、腰痛になる方も多く見られます。
また、秋の涼しさに、体は、体内を温めようと硬く引き締めるのですが、暑い夏から急に冷えがきますから、体は均等に硬くすることができず左右の歪みがでてきてしまいます。この捻じれも腰痛を起こす原因となっています。特に、寝ていて急に朝方冷えたなと感じつつも、眠いのでそのまま我慢して寝てしまうということもありますよね。この捻じれが、さらに腎臓のあたりを硬くする要因になり、ますます腎の疲れをもたらしてしまいます。
10月、11月あたりの体を整えるには、まず背中をゆるめることと、腎の働きを高めていくことです。簡単にこの二つの対策に効果的な動きを見ていきましょう。
背中の捻じれ解消運動
スワイショウという腕を前後に振る気功があります。シンプルですが、効果は絶大で肩がほぐれ、力が抜け、全身に気が巡ってきます。最近は、スワイショウの動画を出している方も多くなりました。背中の捻じれ解消には、スワイショウを上半身捻じって行う、「回転のスワイショウ」というものを試してください。
肩幅に立ち、膝、つま先を前に向けます
頭から糸で吊るされているように背筋を伸ばし、中心軸をはっきりとさせます
肩の力を抜き、膝を少しゆるめます
目は半眼、舌は上顎に軽くついている状態
軸を中心に左右にブラブラと腕を振ります。腰が回転して、その後に腕が巻き付いてくる感じです。
慣れてきたら、回転した時に、片方の手を肩の真ん中(肩井というツボがあります)にあて、片方の手の甲を腎臓のあたりにあてるとより効果的です。
※脱力して行うことがポイント。ポカンと何も考えずに行ってみてください。単純な動作の繰り返しでリラックスし、副交感神経に切り替わります。無心に行っていると、汗がにじんでくると思います。
※お腹の周りには、「帯脈(たいみゃく)」が流れています。通常、体を縦に流れる経絡が多いですが、帯脈は文字通り帯のような脈です。回転のスワイショウは、両手で上半身の周りをかき混ぜているような動作ですね。内臓の働きを高め、体の外にある気を整えていきます。
※中心から外側へ向かう遠心性の動きです。体内奥深くにたまった老廃物、邪気、ネガティヴな感情が回転と同時に解き放たれていくとイメージしてもいいでしょう。 邪気が抜けていきます。
1分~5分。ちょうど良いなと感じる時間でいいです。

腎の活性化ストレッチ
腎を活性化するには、開脚ストレッチがいいでしょう。無理のない程度で両足を開きます。
開いたら、両足首をぐるぐる回します。
片方の膝からやや股関節よりの太ももに軽く手を乗せひざ下を伸ばします。(手の重さで沈むくらいにして押さなくていいです)もう片方も同様に行います。
両足を開いたまま軽く上半身をゆすったりして、その体勢をキープします。(前に倒そうとしなくていいです)左腕を上に上げ、脇を伸ばしながら右に倒します。右腕を上に上げ、脇を伸ばしながら左に倒します。
もう一度、前を向いて上半身をゆすりながら体勢をキープします。股関節あたりや上半身の動きがよくなっているのを感じると思います。
1分から始め、3分ぐらいしていきましょう。足首の内側から内股の付け根には、腎経が通っており、開脚は腎経の通りを良くするポーズとなっています。

五行と食材の関係

上図の五行対応表では、秋の縦の列は、白くなっていますね。五行それぞれ色に対応しているのですが、秋は養生として「白いもの」を食べると良いと東洋医学では考えます。
秋は白い食材がおすすめ
秋は、免疫力を高める旬の食材が豊富にスーパーに出されています。ここでは、東洋医学的に見て、秋は肺の季節ですので、肺を潤す食材をとりあげていきます。
梨ー東洋医学では、梨は「百果の王」と言われ、体内の熱を冷まし、肺を潤す代表的な食材とされています。特に空気が乾燥する秋は、咳や喉の不調が起こりやすいため、梨の効能が発揮されます。
大根ー肺と胃腸の余分な熱を下げて消化を助け、気の巡りをよくする食材とされています。消化不良の胸やけや吐き気、乾燥性の便秘に効果的です。大根と生姜のスープや、みそ汁の具などにおすすめ。
れんこんー肺と胃の粘膜を守り潤いを与えてくれると言われています。食欲不振や慢性的な下痢症状にも効果的です。
山芋ー肺・腎・脾の3つの気を養う食材とされています。粘りが身体の潤いに通じます。便秘の方はぜひ試してください。疲労回復や体力の低下の改善にも役立ちます。
他に、はちみつ、白ごま、豆腐、白きくらげなどがあります。
秋は果物の季節
秋は白い食材の他に、果物もおすすめです。薬膳では、各季節のおすすめ食材を思い出すのに、このような格言があります。
「春は芽、夏は瓜、秋は果、冬は根」
乾燥の秋は、水分、油分の多い果物やナッツがいいとされています。ぶどう、梨、くるみ、栗など。
体が欲しがる食材
上記であげた白い食材や旬の果物を参考にしながら、体の声に耳を傾け、本当に欲しいものは何かを感じて決めてみましょう。
以前は大好物だったものが、それほど美味しくは感じなくなることもあります。そうした微妙な変化を感じ取り、頭の中の記憶ではなく、現在の感覚を信頼してみましょう。